デジタルの時代だからこそ、「絵本」を届けたい

こんにちは、村田おにぎりです!

今はスマホ一つで世界中の面白い動画が見られ、指先一つで何でも手に入る便利な時代です。
そんなデジタルの全盛期に、なぜわざわざ「絵本」なんて作るのか。

共同制作者のやまみさんがInstagramでこんな投稿をしていました。

「今の子どもはもう絵本なんて読まないよ」「そんなことよりちゃんと働いたら?」

そんな声もあるでしょう。それでも私たちにとって絵本を作ることは、単なる趣味やエゴじゃなく、今の時代にこそ必要な「体温」を届けるための挑戦です。

クラウドファンディングに挑戦中/

目次

やまみさんに残る「ぬくもりの記憶」

今回の絵本『ごちそう』の共同制作者であり、イラストを担当してくれている「絵本作家やまみ」さん。

上に載せたInstagramでは、やまみさんが幼い頃に、お母さんが三姉妹を毎晩絵本や紙芝居を読み聞かせてくれた記憶をつづっています。

物語の内容は、もう覚えていない。でも、お母さんの太ももの温かさや柔らかさ、オレンジ色の照明に包まれた寝室の空気感、「楽しかった」という幸せな感覚だけは、今もはっきり残っているといいます。

その話を聞いたとき、僕は思わず「それだ」と思いました。

デジタルコンテンツは、情報を届けることがとても得意です。
面白い動画も、ためになる話も、手のひらの中に何千何万と収まっている。でも、やまみさんが今も体に刻んでいるのは「情報」じゃない。あの夜、母と姉妹と並んで過ごした時間の感触なのです。

タブレットの画面からは伝わらない、読み手と聞き手の間に流れる「ぬくもり」。
それこそが、絵本というアナログな形にしかできないことだと、改めて確信しました。やまみさんのその記憶が、この絵本の根っこにある気がしています。

“デジタル”も”アナログ”もどちらも使える時代に

ただ、誤解してほしくないのですが、僕はデジタルを否定したいわけじゃないんです。

実際、今回のクラウドファンディングも、SNSで思いを発信したからこそ多くの方に届きました。デジタルがなければ、この絵本はそもそも生まれていなかった。それは正直に認めたい。

問題は「どちらが優れているか」ではなく、「大切なものが、気づかないうちに消えていないか」ということだと思っています。

一人でスマホを見ながら食事をする光景は、今や珍しくありません。僕自身もそうです。便利で、快適で、それ自体は何も悪くない。

でも、その積み重ねの中で、「今日の学校、どうだった?」「今日どんないいことがあった?」という何気ない会話が、少しずつ減ってはいないでしょうか。

そういった会話が生まれやすいのは、やはり家族で共に食事をしている時間だと思っています。

そして今回、やまみさんと絵本を作っていく中で、絵本も「家族の会話」を増やしてくれるものだと、改めて気づきました。

”みんなで一緒に食べること”も”親子で一緒に絵本を読むこと”も
どちらも人間同士の会話のぬくもりを感じるためのものなのかもしれません。

効率や便利さの影で置き去りにされがちな、親子の「話す時間」。
絵本はその時間を取り戻すための、小さなきっかけになれると思っています。一冊の本を一緒に開くだけで、画面から顔が上がる。目と目が合う。それで十分なのです。

絵本の前では、大人も子どもも対等で、特別な準備はいらない。
どんな国でも、どんな家庭でも、一冊あれば会話が生まれる。それが絵本の持つ、静かな力だと感じました。

おにぎりへの思いを、腐らない形に

僕が毎日握っているおにぎりは、保存料を使わない”なまもの”。手元に残ってしまえば、食品としてのタイムリミットがあります。

おにぎりは今日しか届けられませんが、絵本なら10年後、20年後の食卓にも、届けられる可能性を秘めている。そう言った部分がクリエイター気質を刺激するのです。
教員時代や出前授業で感じた「食の大切さ」というテーマを、月日を超えて残る形にしたいなと思っています。

今回のクラウドファンディングも、そういう意味で僕にとって特別なものでした。
支援してくださった方お一人おひとりが、「この思いを残していい」と背中を押してくれた。その重さを感じながら、やまみさんと一緒に絵本を作り、子どもたちへ届けていきます。

やまみさんが幼いころの寝室の温もりを今でも覚えているように、今この絵本を手にした子どもたちが、数年後にふと思い出してくれたら。そんな未来を想像しながら、制作作業に思いを込めています。

完璧さよりも、届けること

今回の絵本『ごちそう』は、子どもたちが自分の手でめくりやすい”ソフト製本”仕様になっています。
ぜひ親子で何度も読み返してボロボロになるまで読み親しんでほしいです😊

ページをめくる指先の感触、となりに座った人の体温、声に出して読む言葉のリズム。
そういうものは、どんなに解像度が高い画面でも再現できない。デジタルが加速する今だからこそ、その「再現できないもの」の価値が、じんわりと際立ってくる気がしています。

まずは地域の子どもたち、それから徳島県以外の全国の子どもたちへ、この「ごはんのあたたかさ」を届けることを優先するつもりです。
もし「うちの学校にも届けてほしい」「子ども食堂で使いたい」という方がいれば、ぜひ気軽に声をかけてください。

これからも、僕たちの挑戦を見守っていただけたら嬉しいです。🐱🍙


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村田おにぎり
おにぎり屋店主
Murata Onigiri Stand.
ふらふらと居場所の定まらない生き方をしています。
食べること・書くこと・楽しいこと大好き

元小学校教員
おにぎりを通して”食べる楽しさ”を共有していきたい

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