4月の頭、3日間続けて鴨島の児童館にお世話になりました。
1日が鴨島児童館でのおにぎり教室、2日が鴨島南児童館でのおにぎり教室、そして3日目はお花見撮影会への出展。
ありがたいことに、盛りだくさんな3日間でした。
今日はそのなかで、ひとつ心に残ったエピソードをお話しさせてください。
なかなか輪に入れない女の子がいた
おにぎり教室は、何人かずつグループに分かれて順番に進めていく形式です。今回は1グループ8人ほどで回していく流れ。
3組ほど終わったころ、会場のすみでじっとしている女の子に気がつきました。お母さんも隣にいるのですが、なかなか中に入ってこれない様子で。
聞けば、恥ずかしがり屋さんで、みんなと一緒だと作業が難しいかもしれないとのこと。
「それなら、他の子たちが終わってから、家族だけでやりましょうか」
そう声をかけて、お母さんと兄弟と、ほぼマンツーマンの形でおにぎり教室をすることに。少人数だからこそ、相手の様子を見ながら丁寧に関われるのがよかったと思います。
「ぶたキムチにする!」
具材はいつもの3種類。しゃけ、うめ、そしてぶたキムチ。
このぶたキムチ、名前だけ聞くとちょっと辛そうに感じるかもしれません。でも実際は、子どもでも全然食べられる味付けにしています。教員時代の給食で食べたぶたキムチがおいしくて、それをイメージして作った一品。子どもたちにも大人気のメニューです。
「どれにする?」と女の子に聞いたら、間髪入れずに「ぶたキムチ」と返ってきました。
正直、びっくりしました。見た目もかなり小さな子で、まさかぶたキムチを選ぶとは。お母さんも「え、ぶたキムチ?」と驚いた顔をしていましたが、「じゃあ挑戦してみようか」と背中を押してくれました。
女の子は、手に米粒をつけながらも、一生懸命に握ってくれて。できあがったおにぎりは、不格好だけど、すごくかわいくて美味しそうな形でした。
お母さんが、泣いていた
家族みんなで揃ったところで「いただきます」をして、食べ始めると、女の子はぶたキムチおにぎりをパクパクと、本当においしそうに頬張っていました。その表情があまりにも嬉しそうで、児童館の指導員の先生もたくさん写真を撮るほど。
そのとき、お母さんの様子がちょっとおかしいことに気がつきました。
写真を一緒に撮りましょうと声をかけられているのに「私はいいです」と遠慮していて。見ると、目にポロポロと涙が光っています。
しばらくして、お母さんが話してくれました。
「この子、すごい偏食で。ぶたキムチなんて絶対食べないと思ってたのに」
そう言いながら、まだ涙をぬぐっている様子でした。
驚きと、嬉しさと、うまく言葉にできない感動が全部まざったような涙だったんだと思います。それを見ていた僕も、じんとくるものがありました。
おにぎりって、不思議な食べ物だと思う
こういうことが、ときどきあります。
変食でなかなか食べられないけれど、村田くんのおにぎりは食べてくれる。朝ごはんが進まないけれど、このおにぎりだけはいっぱい食べてくれる。そんな声をいただくことが、正直、思っていたより多いです。
自分では、特別なことをしているつもりはありません。こだわっている部分はもちろんあるけれど、誰もが驚くようなことをしているわけじゃない。
でも、手で握るという行為には、何かが宿るんじゃないかと最近は感じています。うまく言葉にできないし、あまり言いすぎるとスピリチュアルな話になってしまう。それでもやっぱり、おにぎりってほんとうに素晴らしい食べ物だなと、つくづく思うんです。
最後に、お母さんが「ぶたキムチ、どうやって作るんですか?」と聞いてくれました。レシピをお伝えすると「家でもやってみます」と言ってくれて、それも嬉しかった。
あの女の子が、お母さんの作ったぶたキムチおにぎりも、笑顔で食べてくれますように。
おにぎり教室、受け付けています
村田おにぎりでは、児童館・学校・地域イベントなどへのおにぎり教室出張を承っています。
「子どもたちに食の楽しさを伝えたい」「食育の機会をつくりたい」という方は、お気軽にご相談ください。

