乾燥肌や敏感肌、アトピー性皮膚炎など、こどもの肌トラブルは年齢や体質によってさまざまです。
特にこどもに肌トラブルを抱えさせないために、どんな食事を摂らせばいいのか悩む親御さんは多く、
- 食事でできることが知りたい
- どんな食べ物が肌に良いのか分からない
- アレルギー対応のレシピを探している
といった声をよく耳にします。
一方で、自己流で間違った食材を取り入れたり、栄養が偏ったりしてしまうと、かえって肌の調子を崩すことも…。
この記事では、管理栄養士監修のもと、こどもの肌トラブルに効果的な食事法を「年齢別・症状別」にわかりやすく解説します。さらに、忙しい親御さんでも取り入れやすい 簡単レシピ30選 をご紹介。
この記事を最後まで読んでいただければ、
- こどもの肌トラブルに合わせた「正しい食材選び」
- 成長段階ごとの「実践的な食事プラン」
- 家族みんなで楽しめる「無理なく続けられるレシピ」
を具体的に知ることができるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね🙂
この記事を監修した人

管理栄養士
「日々の食事で、心と体を整える」をテーマに活動する管理栄養士
家族の療養をきっかけに、麹をはじめとする発酵調味料の魅力に目覚める。
毎日のごはんがもっと楽しく、体にやさしくなるヒントを提案している。
こどもの肌トラブル基礎知識

年齢別に多い肌トラブル(0〜2歳・3〜6歳・7〜12歳)
- 0〜2歳(乳児期)
この時期は乾燥や湿疹が起こりやすいのが特徴。離乳食の開始に伴い、食材によるアレルギー反応も出やすい時期。特に卵・牛乳・小麦は注意が必要です。 - 3〜6歳(幼児期)
外遊びが増え、汗や紫外線が肌トラブルの原因に。アトピー性皮膚炎や敏感肌が悪化しやすい時期。また、好き嫌いや偏食によって栄養が不足し、肌の調子に影響することも。 - 7〜12歳(学童期)
成長期に入り、骨や筋肉の発達に栄養を多く必要とするため、食事バランスが崩れると肌のバリア機能にも影響します。特にスポーツや部活動を始める子は、汗によるかゆみや炎症が増える傾向があります。
季節ごとの肌トラブルと食事の工夫
- 春:花粉や黄砂が肌に付着し、敏感肌やアトピーが悪化しやすい。ビタミンCやポリフェノールを含む食材(いちご・ブロッコリー)が有効。
- 夏:汗や紫外線によるあせも・炎症が増加。水分補給と抗酸化作用のある食材(きゅうり・トマト・スイカ)がおすすめ。
- 秋:空気が乾燥し始め、肌荒れや乾燥が悪化。オメガ3脂肪酸を含む青魚や、バリア機能を高めるビタミンE(ナッツ類)を積極的に。
- 冬:乾燥肌が最も深刻化する季節。温かいスープや煮込み料理で水分と栄養を補給し、肌を内側から守ることが大切です。
食事がこどもの肌に与える影響(腸内環境と免疫の関係)
肌は「内臓の鏡」とも言われるように、食事内容がそのまま肌状態に表れます。特に注目すべきは 腸内環境と免疫機能。
- 腸内の善玉菌が減ると、炎症やアレルギーが悪化しやすくなる
- 栄養バランスの乱れは、肌のバリア機能低下につながる
- 良質なたんぱく質やビタミン・ミネラルは、肌細胞の再生に欠かせない
そのため、こどもの肌トラブル改善には「何を塗るか」よりも「何を食べるか」が重要になります。

こどもの肌トラブルに効果的な食べ物

①乾燥肌の子ども
乾燥肌の子どもには、皮膚の水分保持力を高める栄養素を意識的に摂ることが大切です。
おすすめ食材
- 青魚(サバ・サンマ・イワシ):オメガ3脂肪酸が皮膚のバリア機能改善。
- 鮭・きのこ類・卵黄:ビタミンDが皮膚の新陳代謝促進
- 牡蠣・牛肉・カボチャの種:亜鉛が肌の修復や免疫機能に関与
避けたい食材
- 砂糖の多いお菓子・ジュース → 体内で炎症物質を増やし、乾燥を悪化させる可能性。
- 加工食品(インスタントラーメン・スナック菓子) → 添加物や塩分が多く、皮膚のバリア機能を乱す。
②炎症タイプ(アトピー・赤み)の子ども
炎症が目立つ肌トラブルには、体内の炎症反応を抑える食材を取り入れることが重要です。
おすすめ食材
- 青魚・チアシード・クルミ:オメガ3脂肪酸
- ブルーベリー・カカオ・緑茶:ポリフェノール
- いちご・ピーマン・ブロッコリー:ビタミンC
腸内環境改善のために以下もおすすめ!
- 発酵食品(ヨーグルト、納豆、みそ、ぬか漬け)
- プレバイオティクス(バナナ、玉ねぎ、ごぼうなどの食物繊維)
【年齢別】こどもが食事する際のポイント

0〜2歳(乳児・幼児)
乳児期は皮膚のバリア機能が未発達で、離乳食開始に伴い食材による反応も出やすい時期です。
- 食材は一つずつ少量から試し、アレルギー反応を確認。
- 消化にやさしい「おかゆ・煮野菜・白身魚」などから始める。
- 市販のベビーフードを選ぶ場合は、添加物・アレルゲン表示を必ず確認。
- 乾燥肌にはオメガ3(しらすや白身魚)、炎症タイプには発酵食品を少量ずつ取り入れるのがおすすめ。
3〜6歳(幼児)
幼児期は好き嫌いや偏食が多く、栄養バランスが崩れやすい時期。保育園や幼稚園のお弁当対応も重要です。
- 主食・主菜・副菜を組み合わせた「一汁三菜」を意識。
- 色とりどりの野菜を使うと見た目が楽しく、食欲が増しやすい。
- おやつは「果物・米粉スイーツ・干しいも」など自然な甘みを活用。
- 卵・乳製品にアレルギーがある場合は、豆乳や米粉を代替食材として使用。
7〜12歳(小学生)
学童期は運動量が増え、成長に必要な栄養素も増加します。部活動や習い事でのエネルギー消費を補いながら、肌を守る食事を意識しましょう。
- 良質なたんぱく質(肉・魚・卵・豆製品)をしっかり摂取。
- 学校給食で不足しがちな「野菜・果物」を家庭で補う。
- 部活・運動後はバナナ・ヨーグルト・おにぎりなど消化のよい補食を。
- 肌荒れしやすい時期は、油っこい揚げ物よりも「蒸す・煮る」などの調理法がおす
肌トラブル改善のための食事例(30選)

朝食10選
- 具だくさん味噌汁 & おにぎり
- 米粉パンのサンドイッチ
- ヨーグルト+バナナ+オートミールボウル
- 白身魚とほうれん草の和え物
- 納豆ご飯+刻み野菜
- かぼちゃと豆乳のスープ
- しらす入り卵焼き
- 鶏むね肉と野菜のスープ煮
- 果物の盛り合わせ(りんご・みかん・いちご)
- 小松菜とバナナのグリーンスムージー
昼食・夕食15選
- 鮭と野菜のホイル焼き
- 鶏肉と根菜の煮物
- 豆腐ハンバーグ
- 白身魚の蒸し煮+野菜スープ
- 豚しゃぶサラダ
- 野菜たっぷりチキンスープ
- 玄米ご飯+納豆+焼きのり
- アジの南蛮漬け
- かぼちゃと豆乳のグラタン
- 野菜の炊き込みご飯
- 豆と野菜のカレー
- さつまいもの煮物
- 味噌煮込みうどん
- 牛肉とブロッコリーの炒め物
- ひじきと大豆の煮物
おやつ5選
- 米粉パンケーキ
- 干しいもや焼きいも
- フルーツヨーグルト
- 手作りポップコーン
- ナッツ・ドライフルーツ
【詳細版】おすすめの3レシピ

① 鶏肉と根菜の煮物(乾燥肌におすすめ)
材料(2〜3人分)
- 鶏もも肉:200g(一口大に切る)
- 大根:5cm
- にんじん:1/2本
- ごぼう:1/2本
- 出汁:400ml
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
作り方
- 鶏肉は余分な脂を取り、一口大に切る。
- ごぼうはささがきにして水にさらす。大根・にんじんは乱切りに。
- 鍋に出汁を入れ、野菜を加えて煮る。
- 煮立ったら鶏肉を加え、アクを取る。
- 調味料を加え、中火で15分ほど煮込む。
食物繊維が豊富なごぼう・根菜で腸内環境改善もサポート
② 豆腐ハンバーグ(アレルギー対応・敏感肌におすすめ)
材料(4個分)
- 木綿豆腐:1丁(300g、水切りしておく)
- 鶏ひき肉:150g
- 玉ねぎ:1/2個(みじん切り)
- 米粉:大さじ2
- 塩:少々
作り方
- 玉ねぎを炒めて甘みを出す。
- ボウルに豆腐・ひき肉・玉ねぎ・米粉・塩を入れて混ぜる。
- 4等分して丸め、フライパンで焼き色をつける。
- 蓋をして蒸し焼きにし、中まで火を通す。
豆腐でふんわり、米粉使用で卵や小麦にアレルギーがあっても安心。
③ 小松菜とバナナのグリーンスムージー(ビタミン補給)
材料(2人分)
- 小松菜:2株
- バナナ:1本
- りんご:1/2個
- 豆乳:200ml
作り方
- 小松菜はざく切りに、バナナとりんごは一口大に切る。
- ミキサーに全ての材料を入れ、なめらかになるまで攪拌。
- グラスに注ぎ、そのまま飲む。
ビタミンC・Eが豊富で、バリア機能を高める1杯。忙しい朝に最適。
【おまけ】実践的な買い物&調理ガイド

肌トラブル改善のための買い物リスト
1週間分の買い物リスト
- たんぱく質:鶏むね肉、鮭、イワシ、豆腐、納豆、卵(アレルギーがなければ)
- 野菜:にんじん、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、かぼちゃ、玉ねぎ
- 果物:バナナ、りんご、みかん、いちご
- 穀物:白米・玄米、米粉パン、オートミール
- 発酵食品:味噌、ヨーグルト(豆乳ヨーグルトも可)、ぬか漬け
- 良質な油:えごま油、亜麻仁油、オリーブオイル
「乾燥肌用」「敏感肌用」など子どものタイプに合わせて、上記から選んで買い足すと効率的です。
食材の保存方法(冷凍・常温・作り置き)
- 魚は小分けにして冷凍 → 解凍後、蒸す・煮る調理で栄養保持。
- 野菜は下茹でして冷凍(ブロッコリー・ほうれん草など)。
- 根菜類(にんじん・大根・じゃがいも)は常温保存で1週間持つ。
- 納豆・豆腐など傷みやすい食品は2〜3日で使い切る。
「冷凍ストック+作り置き」 を組み合わせると、忙しい朝でも短時間で栄養バランスの良い食事を用意できます。
時短調理テクニック(蒸す・煮る・圧力鍋)
肌トラブルの子どもには、低刺激で消化にやさしい調理法が基本です。
- 蒸す:油を使わず、ビタミンやミネラルを逃しにくい。
- 煮る:野菜の栄養がスープに溶け出すので、一緒に摂取できる。
- 圧力鍋・低温調理器:短時間でやわらかく仕上がり、栄養を損なわない。
揚げ物や炒め物については、炎症に影響を与える可能性もありますので、油の質や量、頻度に注意しましょう。
よくある質問Q&A(親御さんのお悩み解決)

専門家からのアドバイス

管理栄養士のコメント
こどもの肌トラブルは、外側からのケアだけでなく、食事による内側からのサポートがとても重要です。特に、成長期のお子さんは栄養素の必要量が大人より多くなるため、バランスを意識した食事が欠かせません。
乾燥肌にはオメガ3やビタミンE、炎症タイプには発酵食品や抗酸化成分など、症状に合わせて食材を工夫することで改善につながるケースも多いです。
また、アレルギーがある場合でも、豆乳や米粉など代替食材を活用すれば、栄養を損なうことなく安全に調理が可能です。焦らず少しずつ、子どもに合った方法を見つけていきましょう。
まとめ

こどもの肌トラブルは「体質だから仕方ない」と思われがちですが、毎日の食事改善によって症状の軽減や体質のサポートは十分に可能です。
今日からできる3つの食事改善ステップ
- 食材選びを工夫する
→ 魚・豆腐・野菜・果物を中心に、できるだけシンプルで無添加の食材を選びましょう。 - 調理法を変える
→ 揚げ物よりも「蒸す・煮る・焼く」を基本に。栄養を守りながら消化にやさしい調理を心がけることが大切です。 - 腸内環境を整える
→ 納豆・ヨーグルト・味噌などの発酵食品や、バナナ・ごぼうといった食物繊維を取り入れて「腸から肌を元気に」。
継続のコツ
- いきなり完璧を目指さず、1日1品から置き換えるようにすると長続きします。
- 家族みんなで同じ食事を楽しむと、子どもも自然に食べやすくなります。
- 週末に作り置きや冷凍保存をしておけば、忙しい平日も安心。
医療機関の受診を検討すべきタイミング
- かゆみが強く眠れない
- 食事改善を続けても改善が見られない
- 皮膚がじゅくじゅく・化膿している
- 複数の食材にアレルギー反応が出る
👉 こうした場合は 皮膚科や小児科を早めに受診し、医師の診断を受けることが大切です。
子どもの肌トラブルは、親としてとても心配なもの。でも「毎日の食卓」から少しずつ整えていけば、必ず体は応えてくれます。
本記事で紹介した工夫を、ぜひご家庭の食事に取り入れてみてくださいね😊

